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第162話 街角のマネキン(ストックホルム、2007年)

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ショーウインドウに立つマネキンの原型は、十九世紀のフランスに遡るそうです。その後、二十世紀になると、幾つかのマネキン製造会社がパリで設立され、産業として発展することになります。この頃のマネキンは、蝋(ろう)を用いたため重く、そのため店への搬入が困難であったり、照明の熱で変形したりするという欠点があったそうです。戦後になって、マネキンの世界にも、急速な技術革命が起こり、例えば、材質的には、軽くて丈夫なファイバーやFRPが用いられるようになったのです。
 
マネキンは、あくまでも商業目的での使用を前提としていたため、例えば、子供達に親しまれる人形などとは、根本的な使命が異なります。だから、その歴史においても、マネキンがアートとして認識されることはなく、使い古され、その役割を終えたものは、ついには廃棄されるのです。ショー・ウインドウに立つマネキンは、理想的なプロポーションを持ち、とても美しい。一方で、どこか空虚で、物悲しさを感じさせるのは、そんな悲しい運命を背負っているからかもしれません。
 
ところで、ヨーロッパのマネキンは、いわゆるファッションモデルを模しており、その意味では、理想的なスタイルなのですが、一方、日本では、日本人女性の平均身長より十センチほど高く作られているそうです。だから、日本人女性にとって、マネキンは、理想的というよりも、どちらかというと空想的なものであるわけです。
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