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第164話 静寂な朝(ブルグドルフ、2007年)

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ブルグドルフはスイスのエンメ川沿いにある最大の街です。十二世紀に築かれたこの街の周辺には、田園地帯が広がり、だから良い意味で近代化の波に曝されることなく、古い街並みが残存されています。
 
その日の朝、いつものように早起きさんの僕は、セーターとジャケットを着込み、まだ暗い街に出たのです。街には、歩く人もなく、車の音もなく、十一月の朝の氷点下の中で、街全体が静寂の中にありました。この小さな田舎街の中心には、数十メートルほどの「商店街」があり、店のディスプレイの照明が、ぼんやりと通りを照らしていました。街の構造的には、長い間、ほとんど変化していないことが容易に想像され、だから、その当時を知らない僕でも、中世の雰囲気を感じることができます。箱庭のような、こんな田舎街を歩いていると、あたかも自分が、その時代にタイムトリップしたか、あるいは巨大な映画セットの中にいるような錯覚を覚えます。
 
なんてことはないヨーロッパの田舎街を、いつか、電車で自由きままに旅してみたい、と思うのです。
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