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第198話 オートバイの記憶(サンタモニカ、2008年)

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十代の後半から暫くの間、オートバイに熱中しました。もう二十年以上も前の事です。真っ赤なカワサキのオートバイを手に入れ、休みの度にツーリングに行ったものです。オフロードタイプのオートバイに寝袋と自炊道具を載せ、二ヶ月ほどかけて日本一周の旅をしたこともあります。その頃は、オートバイがあれば、どこでも行けるような気がしました。オートバイに乗っていれば幸せでした。僕にとっての古き良き時代です。そういえば、この頃に、片岡義男の小説をよく読んだのを覚えています。その中でも、「彼のオートバイ彼女の島」や「ときには星の下で眠る」は、僕のお気に入りです。
 
今でも、季節の変わり目には、無性にオートバイに乗ってみたくなります。歳を取りながら、既に長い間忘れてしまった記憶を取り戻すことができるかもしれません。あの頃の感覚をもう一度感じてみたい。僕にとって、オートバイは、昔の感覚を呼び起こすためのタイムマシンです。
 
サンタモニカの街を散歩していると、路上に一台のオートバイが停めてありました。イギリスのトライアンフというメーカーのロードバイクで、六十年代のカフェレーサーを彷彿とするスタイルはとても美しい。ずっと憧れ続けてきたオートバイです。そのオートバイをじっと見つめる間、あの頃の自分に戻ったような気がしました。もう一度、乗ってみたい。
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