FC2ブログ

第215話 メリーゴーラウンドの記憶(サンタモニカ、2009年)

215b.jpg

その頃の記憶は、40年も経った今ではほとんど残っていないのだけど、それでも断片的に覚えています。1970年代の初め、僕がまだ小学校に入ったばかりの頃、尾道の千光寺の山の上にある遊技場に両親に連れられて行った頃のことです。どういう訳か、その断片的に覚えている「画像」は、とってもセピアカラーで、かなり黄色っぽいのです。断片的だから、どこか古い映写機で投影された活動写真のようにも見える。その頃は、まだ元気だった父の顔があります。その頃はまだ若かった母の姿があります。何故か母は、今となっては、レトロな水玉模様のワンピースを着てる。そばには2歳になったばかりの弟が鼻水を垂らしてる。そんな記憶は、年月が経つにつれて、だんだんと薄れてくるのだけど、ある一定のレベルまで薄れると、それ以上は薄れることなく、ある特定の断片が残るのです。そう言えば、その時も乗せてもらいました、メリーゴーラウンド。
 
月日が経ち、僕は成長し、大人になり、やがて、小学生になったばかりの息子と一緒にメリーゴーランドに乗ることになる。若干緊張気味で、手すりにギュっとつかまってる息子を見ながら、40年前の僕自身と重ねてみる。やがて、息子は中学生になり、もはや、父親とメリーゴーラウンドどころではなくなるだろう。
 
そして、今、僕はサンタモニカの海辺にある小さなメリーゴーラウンドを見ながら想うのです。この先、メリーゴーランドに乗ることはあるのかなあ。
関連記事

Pagination

Comment

Post Your Comment

コメント登録フォーム
公開設定

Utility

Category