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第221話 アパートメント(コペンハーゲン、2010年)

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コペンハーゲンのショッピング街を通り抜けると、運河に行き当たります。その運河沿いに色とりどりな建物が建ち並ぶあたりは、ニューハウン地区と呼ばれます。ここは、19世紀初頭にアンデルセンが住んでいた場所として知られています。まだ朝6時を過ぎたところだったので、人通りは少なく、時折、ジョギングの人が走り過ぎたり、あるいは、一晩中ハードに遊んでしまった若者が、海を眺めながらボーッと虚ろに座ってたりします。
このあたりは、いわゆるコペンハーゲンの「顔」のような場所だから、恐らく、この景観を維持するためには、それなりの法規制があるはずです。デンマークだけでなく、ヨーロッパの国々を歩いて感じるのは、家々のイメージは同じ方向性で纏められていて、街全体として、ひとつの秩序ある景観を造ってることです。

では、日本はどうでしょう。戦後、目覚ましい復興を遂げた日本では、我も我もと、どちらかというと自己満足的な家々を建て、例えば、隣が2階建てを立てれば、それでは、と自分は3階建ての家を造ったりしたかもしれない。更に、「輸入住宅」と呼ばれるハイカラな家が突如、なんの脈絡もなく、古い街並に出現したり、あるいは、町の真ん中にログハウスが出来たりする。パチンコ屋のネオンサインは、これでもか、と言わんばかりに主張し...。これでは秩序は生まれない。でも、そんな日本の無秩序さが、もはや日本らしい景観となってるような気もします。長期の海外出張から帰国して、東京の雑踏とした街並みに囲まれると、案外心地良かったりします。

もし、アンデルセンが、現代の東京の街に住んでいたとしたら...、「マッチ売りの少女」や「人魚姫」は、決して生まれてこなかったはず、とは容易に想像できます。
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